2023年3月26日日曜日

クリニックにおいてある小説と絵本について

 私は本が大好きです。

もっとも尊敬する作家はミヒャエル・エンデさんです。

代表作といえば「はてしない物語」「モモ」ですね。

クリニックのシンボルツリーの本棚にも、こそっと「モモ」を置いています。私にとって宝物のような本です。

受診のたびに1章、1章読みすすめてもらえると嬉しいです。全体のストーリーも素晴らしいものですが、オススメとしては第一部の三章「暴風雨ごっこと、ほんものの夕立」。この章はここだけ読んでも楽しめるストーリーになっています。「海底二万マイル」のような海洋冒険活劇です。

いっしょに置いてある「ライオンと魔女」は世界三大ファンタジーの1つ「ナルニア国物語」の第一巻です。

衣装タンスを抜けると、その先にはナルニアの世界が広がっている。

その光景を思い浮かべるといつも幸せな気持ちになります。

読書は人をいろんな世界に誘ってくれる。

だから、私は特にファンタジーが大好きなんです。

指輪物語、ゲド戦記、ハリー・ポッター、ライラの冒険、バーティミアス。

すべて大切な物語。

読んだことのない人は、まだこれからこれらの世界を新しく冒険できる幸せな人達です。


あと絵本も私の好みがちょこちょこ混ざっています。

特にオススメなのが「ラチとらいおん」です。

何度繰り返し読んでも、最後にぐっときてしまいます。

短いストーリーなのに完璧な物語です。

子どもたちにも読んでもらいたいですし、大人の方にも手にとって読んでもらいたいですね。

「バムとケロ」シリーズも子どもたちと何度も読んだ絵本です。

特に私が好きなのが「バムとケロのさむいあさ」なので、こちらも置いています。

「おかいもの」や「そらのたび」も子どもたちによく読み聞かせをしていたので私にとってとても大切なシリーズです。

かくように私の趣味がおりまざったクリニックのツリー本棚。みなさまの心に届く物語がありましたら、うれしいなあ、と思います。

2019年3月17日日曜日

舌下免疫療法についてもう少し知りたい方へ

 舌下免疫療法を検討中の方に知っておいて頂きたいことをもう少し書いておきます。
 舌下免疫療法は長期間投薬を続ける治療になります。
 そのためその治療が本当に適応になるのかどうかを採血で事前に調べる必要があります。スギ花粉に対する抗体が陽性となるクラス2以上の患者さんにおいて治療がすすめられます。当院にて採血を行うこともできますし、以前に採血をしてスギ花粉の抗体が確認できていれば、それを元に治療開始の判断をいたします。その場合には必ず治療相談時に以前の採血結果を持参してください。


 スギ花粉の抗体が確認できたら、クリニックにて初回投与を行います。診察室内で実際に舌の下に錠剤を入れて、飲み込んでもらいます。その後、30分は院内にて副作用の出現がないかどうか待機をしてもらいます。
 2日目以降は自宅にて1週間投薬をしてもらいますが、初めの1週間は初期投与量とされる少なめの量となります。2週目からは維持投与量といって量が増量になります。その量でも副作用の出現がない、もしくは副作用がアレルギー薬の投薬にてコントロール可能な範囲と判断できた場合には、以後からは月に1回の受診にて投薬を続けていくこととなります。


 アレルギーがあるとわかっている人に原因抗原を投薬しますので副作用の生じる割合は高くなります。ただし多くは口の中や舌のピリピリ感などの軽度な症状であり、概ね普段通りに過ごせることが多いです。中には喘息発作や蕁麻疹などの投薬を中断しなければならない副作用を生じたなどの報告もありますし、アナフィラキシーショックなどの最重症アレルギー反応にも注意が必要となります。
 そのためもともと重症喘息や重症アトピー性皮膚炎、重症食物アレルギー、スギ以外でもアレルギー反応が強いなどのアトピー素因の高い方に関しては副作用出現のリスクが高くなりますので、当院では治療は行なっておりません。
 また、高血圧治療にてβ遮断薬という薬を使用していると副作用出現時に対応に支障が出る場合があるので、こういったケースでも治療はお薦めいたしません。


 舌下免疫療法の効果は個人差があります。スギ花粉症の方でも全ての方に十分な効果が期待できるわけではありません。花粉症症状が出なくなる方もいれば、効果が無効の方もみえます。また花粉の飛散量も年度によって異なりますので、前シーズンとの単純な症状の比較がしにくいといった問題もあります。
 効果は最初の数年は治療年数により高まるとされています。最初のシーズンで効果を感じられなくても、次のシーズンで効果が出現する可能性もありますので、まず2シーズンは投薬を行うことをお薦めしています。
 効果が出る方でも、花粉飛散のピーク時には対症療法薬を併用していただく可能性があります。その場合でも対症療法薬を例年よりも弱い薬に変えられる場合が多いです。


 最後に、治療をどれだけ続けるか、という問題があります。
 今までの研究で舌下免疫療法を3年間継続した場合、中止後も2年間治療効果が持続したという報告があります。また、4〜5年継続した場合、中止後も8年効果が持続したという報告があります。
 そのため、3〜5年の治療継続がすすめられると考えられており、おおよそ治療期間の倍くらいの期間の効果継続が見込まれます。
 治療終了後に症状が再燃したら、また1〜2年の再治療を行います。
 

スギ花粉症の皆様へ 〜舌下免疫療法について〜

 今年はスギ花粉の飛散量が多く、「ここ数年は市販薬で対応できていたのに今年は症状がひどく市販薬で対応できない」、「今まで花粉症と言われたことはないが、今年から花粉症を発症したよう」と言った意見が多く聞かれました。特に飛散量のピーク時には、抗アレルギー薬の内服治療、点鼻・点眼治療を併用していても、アレルギー反応の方が薬の効果を上回ってしまい、花粉症症状に苦しまれた方も散見されました。
 スギ花粉症の苦しみを実感された今、皆様にお伝えしたい治療があります。それが「スギ花粉の舌下免疫療法」です。
 これはアレルゲン免疫療法と呼ばれる治療で、減感作療法とも呼ばれます。


 アレルギーというのは本来体に侵入したウイルスや細菌などの異物を排除する免疫機構が、花粉などの体に害のないものに対し過剰に反応してしまう症状のことです。アレルギーの原因となる花粉などの物質をアレルゲンと言います。このアレルゲンを少量から体に投与することで体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療です。
 通常、花粉症の治療として病院やクリニックで処方される抗アレルギー薬はあくまで対症療法であり、アレルギー反応を薬で押さえ込んでいる治療であり、アレルギー反応を減じさせることを目的とする免疫療法は従来の治療とは根本的に異なっています。


 当院で行なっているアレルゲン免疫療法が近年話題になっている舌下免疫療法です。
 舌下免疫治療の具体的な治療方法としては、スギのアレルゲンの治療薬を舌の下に置き1分間保持をした後、飲み込む、これだけです。その後、5分間はうがいや飲食を控えていただく、服用前後2時間程度は激しい運動、アルコール摂取、入浴を避けていただくなどの制限があります。これは副作用の出現をできるだけ抑えるための配慮です。


 ただし大事な点は、この治療はスギ花粉症の時期だけではなく、1年中毎日の投薬が必要となることです。そのため、今この時期に舌下免疫療法を考えてもらうことが大切です。喉元過ぎれば熱さを忘れてしまいます。1年中、治療を継続して行うためには相応のモチベーションが必要となります。スギ花粉症に苦しんだ記憶が鮮明な今こそ、来年のこの時期を心穏やかに過ごすためにこのような治療があることを知って欲しいのです。
 特にスギ花粉症があり、来年受験生の方。受験シーズンはまさにスギ花粉シーズンです。花粉症に対して事前に対策してもらうことも、受験に対する備えになるかと思います。


 スギ花粉症の舌下免疫療法はスギ花粉の飛散時期には新規導入は行なっていません。来シーズンに向けた治療は6月以降開始していきます。興味のある方は是非受診してください。